約 27,126 件
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/2464.html
近所でお祭があったので、ふと思いついた友垣ネタ… エロがなくてすみませぬ。 何となく半兵衛(♀)だとちょっぴり素直になるんじゃないかとか そんなことを妄想してしまいました。 遠く祭囃子の音が聞こえる。 半兵衛は気怠い仕草で布団から身を起こすと、その方角へと目を向けた。 社の方角は夜というのに昼間のように明るい。 おそらく多くの人で賑わっているのだろう。 「祭、か…」 彼女は傍らにあった盆に用意されていた薬湯を寄せた。 湯呑みを取ろうとした瞬間、不意に咳き込み、咄嗟に手拭いを口元に当てる。 「………っ」 白い布地に残る血の痕を睨み、秀麗な顔を僅かに顰めた。 「…まだ、やりたい事は山程あるのに」 何故、自分には限られた命しかないのだろうか、と彼女は悔やむ。 呼吸を落ち着かせると、再び湯呑みを取って口に含んだ。 「全く、慶次君は気楽で良いね」 近所の子供たちに誘われ祭に行くと言っていたが、いつ帰ってくるのかあやしいな、と呟く。 黙っていれば凛々しい顔立ちなのだが、あの愛嬌のある笑顔を向けられると幾分子供っぽく見える。 秀吉も保護者代わりに一緒について行ったので大丈夫だろうけど、と溜息交じりに空を眺めた。 丁度その時、玄関の方で声がした。 「遅くなってすまぬ」 大柄な体を鴨居にぶつけないように身を屈めて入ってきた秀吉の姿に、半兵衛の顔もようやく和らいだ。 「楽しかったかい、秀吉」 「うむ、思いのほか皆が喜んでくれた」 これは土産だ、と持っていた包みを半兵衛に渡した。 甘い餡と熟した果物の香りが鼻腔を擽る。 「ここ数日、食欲が無いって言っていたのを思い出してな」 「ありがとう、秀吉」 受け取った包みを空いた盆へと置くと、ふわり、と華やいだ笑みを口元に乗せ、秀吉の頬へと軽く口付ける。 「もう一つ半兵衛に見せようと思ってな」 そういって、秀吉は続いて入ってきた慶次を振り返った。 いきなり声を掛けられた方はぎくり、とまるで悪戯している所を見つけられた子供のように大袈裟な動作で驚く。 「おおっと、少しあっち向いていろよ!」 後ろに抱えて隠しながら、不自然な動作で彼が入ってきた。 「何を企んでいるんだい、慶次君」 君がやることはロクでもないことばかりだ、と呆れ顔で言いつつも半兵衛の表情は柔らかい。 そんな様子に秀吉は苦笑しながらも、半兵衛の肩へと手を添えてそっと抱え上げた。 「…秀吉!」 「まあ、良いから庭を見ろ」 縁側に座り、膝の上へと彼女を抱えた秀吉は、宥めるように手を添える。 「何故、庭など」 そういって振り返った半兵衛の視界の隅を淡く仄かな光が横切った。 蒼い闇の中にぽつりぽつりと浮かんでは消える小さな光。 「………蛍」 「その……今日は一緒に連れて行けなかったからさ、その御詫びに…な?」 祭の帰り道に子供たちが見付けたらしい。 少し季節を外しているが、半兵衛は今年初めてみる蛍に紫紺の瞳を細めて緩やかに笑む。 「本当に君のやる事は予想がつかないね」 これでも一応褒めているんだ、と付け加えながら、彼女はそっと瞳を閉じた。 「半兵衛?」 月明かりの下では普段よりも白く見える半兵衛の顔を覗き込みながら、秀吉は心配そうに声を掛けた。 「何でもないよ、ちょっと疲れただけさ」 痩躯を秀吉の胸へと預けながら、半兵衛は苦笑した。 ようやく暑さも和らいできたのか、涼しい夜風も微熱の篭る体には心地よい。 「…眠ったか?」 気が付けば、秀吉に抱えられた格好で彼女は小さく寝息を立てていた。 「そうみたいだな」 慶次と二人で顔を見合わせると、安堵したように笑みを交わす。 そうして、夏の一夜は更けていった。 (了)
https://w.atwiki.jp/matomemodijital/pages/24.html
K 中毒 L 救急 M 麻酔 N 医学総論 【K 中毒】 毛髪中の定量:メチル水銀、ヒ素、セレン 無機鉛:尿中コプロポルフィリン↑、 δアミノレブリン酸↑、経気道吸収、 貧血、腹痛、橈骨麻痺、好塩基斑点赤血球 トルエン→尿中馬尿酸 キシレン→尿中メチル馬尿酸 ベンゼン→尿中フェノール トリクロロエチレン→尿中総三塩化物、 トリクロロ酢酸 有機溶剤はトルエンが主成分→中枢抑制 ジイソシアネート:ポリウレタンの原料、 職業性喘息、気道刺激 排ガス吸引自殺未遂:CO中毒→マンニトール Hunter-Russell:求心性視野狭窄+小脳失調 知覚障害、 As:胃腸、末梢神経、皮膚沈着、角化、mess線 パラコート:数日後に肺炎、肺水腫、高圧O2禁忌 一時間以内なら吸着剤 ベリリウム:吸入後数~10年で肺肉芽腫性病変 肺線維症 鼻中隔穿孔:クロム・ヒ素 →拮抗薬はBAL 酸素欠乏危険場所でH2S中毒も発生しやすい PAM療法:有機リン中毒に有効 乳酸加リンゲル液輸液:細胞外液の補給 減圧症:大関節と筋肉の疼痛、高圧酸素療法 シアン化水素中毒で皮膚紅潮 青酸ガス中毒に対してチオ硫酸Na 歯牙酸蝕症:二酸化硫黄による CO:淡蒼球障害、親和性250倍、白質障害 ガス中毒では最多 メトヘモグロビン血症 ←アニリン・ニトロベンゼン中毒 モルヒネ:E-W核刺激による縮瞳 L-dopa:突然中止による悪性症候群 ニューキノロン+NSAIDsで痙攣誘発 ステロイド中断でNa↓、血糖↓ コルチゾール低下による アスピリン過量:高体温、めまい、耳鳴り、 過呼吸、難聴 アミノグリコシド(カナ・ゲンタ・ストレプト) →腎毒性、耳毒症 歯牙黄染:テトラサイクリンによる 腎毒性:シクロスポリン、シスプラチン(低Mg血症) アムホテリシンB フグ:肝臓、卵巣、皮膚、腸に毒 ボツリヌス:球麻痺、外眼筋、呼吸筋麻痺 胃洗浄の適応は内服から1時間以内 サイアザイド:K排出↑、Ca排出↓ SLE様症状を呈する:プロカインアミド、 ヒドララジン、プロピオウラシル 金製剤:皮膚炎、口内炎、腎障害 インターフェロン+小柴胡湯で間質性肺炎 【L 救急】 dog s ear sign:小骨盤腔内に腹腔内液貯留所見 アナフィラキシー→アドレナリン投与、 アミノフィリン、ステロイド、抗ヒスタミンの順 神経原性ショック:徐脈、血管抵抗↓、 硫酸アトロピンで治療 意識障害時には必ず血糖を測定する warm shock:末梢抵抗↓、心拍出量↑、 浅い頻呼吸による呼吸性アルカローシス 抗生剤+ドパミンで治療 死戦期:不規則で喘ぐような呼吸 胸骨下部1/2=両側乳頭を結ぶ位置 胃洗浄が禁忌:灯油、ガソリン、 酸アルカリ、ストリキニーネ 気管支異物で吸気<呼気時で透過性↑ :Holzknecht sign ピーナッツのアラキドン酸による気管支炎 急性腹症の検査:尿、血清、Xp 抗生物質起因性の偽膜性腸炎、急性出血性腸炎 尺骨:C8~Th1、橈骨・正中:C5~C7 間欠的強制換気IMV:換気を補充する これで駄目なら持続的陽圧呼吸CPAP 高圧酸素療法の適応:CO中毒、破傷風、減圧症 破傷風治療:トキソイド、 抗破傷風ヒト免疫グロブリン 皮下気腫で握雪感 腹腔内出血による腹膜刺激症状 LDH↑:肝、肺、腎、膵の損傷 膵損傷+free air、筋性防御(+)ならば緊急手術 肝被膜下損傷、表在性損傷ならば保存的治療可能 条件はショック(-)、腹痛・筋性防御が軽度、 出血500ml以下、被膜損傷(-)、 必要によっては腹腔動脈造影を行う 腹腔内出血→骨盤レントゲンでdog s ear sign、 尿道外傷直後には膀胱鏡、尿道ブジーは禁忌 第一は逆行性尿道膀胱造影 脱水→臥位で頸動脈拍動消失 エンドトキシンショック:頻呼吸による 呼吸性アルカローシス、赤血球中の2,3-DPG↓ 痙攣→ジアゼパム(セルシン)、 淡水溺水:循環血液量↑、溶血、 代謝性アシドーシス、吐かせない 熱傷ショック:間質圧↑、心拍出量↓ 血管透過性↑(受傷48時間まで、 外液補充のため血漿を用いる) 輸液速度:1ml/kg/時 心タンポ:Beck三徴 (静脈圧上昇、血圧低下、心音減弱) 非穿通性大動脈損傷:下行大動脈起始部に多い 【M 麻酔】 チオペンタールによるヒスタミン遊離作用、 迷走神経緊張 アミド型局麻薬:リドカイン、メピバカイン、 硬膜外麻酔で中毒が多い エステル型:プロカイン、テロラカイン、 アレルギーが多い 悪性高熱:ダントロレンが第一 ハロセン、サクシニルコリンで誘発 アミノフィリン:気管支拡張、揮発性吸入麻酔薬 アトロピン:脈拍↑、分泌物↓、 気管支拡張、胎盤通過 笑気:鎮痛、造血を抑制、耽溺性、血管抵抗↑ MAC:ハロセン0.75、セボ1.7、イソ1.15 MAC↑となる条件:小児、高熱、高Na 血液/ガス分配係数(B/G比)小さいほど導入が早い エーテル:血糖値を動揺させる、糖尿病には禁忌 ハロセン:アドレナリンの刺激性を上昇、 気管支拡張、子宮筋弛緩 チオペンタール:超短時間性、循環・呼吸抑制、 疼痛域値↓ 喘息、ポルフィリン症、ショック時には禁忌 ケタミン:表在痛に効く、鎮痛が強い、 分泌亢進、子宮収縮、覚醒時の幻覚 (ジアゼパムで予防)、交感神経の抑制なし フェンタニル:呼吸抑制が強い (人工呼吸が前提、ミダゾラムも) 循環抑制は少ない、鎮痛強い 脱分極性:SCC、K上昇・アルカローシス・低体温で 作用増強 眼圧を上昇、腹腔内圧↑、反復投与により不整脈 非脱分極性:クラーレ、パンクロニウム、 抗コリンエステラーゼ剤で拮抗 呼吸は最後に抑制,Achに競合して脱分極させない Wedensky inhibition:尺骨神経のテタヌス刺激で 反応が次第に減弱→非脱分極性筋弛緩で見られる 分娩第1期の痛み:Th10~L1で除去 温・痛・触・圧の順にブロックされる 指・趾・陰茎・血行障害部は血行不良となるため アドレナリン添加禁忌 Jacoby s line:左右腸骨稜、第4腰椎棘突起付近 乳頭:Th4、剣状:Th6、臍:Th10、 母指:C6、小指:C8 交感神経遮断により血圧低下 星状神経節ブロックSGB→Horner (眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥凹) カウザルギー:末梢神経損傷後の灼熱性疼痛 ナロキソン投与で呼吸抑制に拮抗 Hbが10g/dl以上なら輸血しない 輸血の順序:RBC→保存血→新鮮血 高K血症の治療でカルシウムの投与 術当日から2日間は抗菌薬投与 生後1年で脊髄は成人と同じレベル Obestブロック:指の伝達麻痺 脊髄麻酔での血圧降下時 →semi-Trendelenburg体位(下肢のみ挙上) 半月状神経節(Gasser)ブロック: 卵円孔内、三叉神経痛、顔面痛に対して リン酸コデイン:弱オピオイド、鎮咳剤 【N 医学総論】 高齢者で内液量↓、外液量↑、ゴナドトロピン↑ リウマトイド因子陽性率上昇、老人性縮瞳 廃用症候群→知能、感情の障害 皮膚血管の還元型Hbが5g/dl以上でチアノーゼ、 口唇に出やすい Fowler位:semi-sitting 急性腹膜炎:鼓腸 K濃度:3.7~4.8mEq/l 脈圧:収縮期と拡張期の差 嘔吐をきたす薬物:ジギタリス、鉄剤、鎮痛剤 上大静脈症候群:前胸部に下行性の静脈怒張 Budd-Chiari:腹壁に上行性の静脈怒張 脾臓を触れれば脾腫あり 多臓器不全:全身組織低O2血症による乳酸蓄積 赤沈↑・CRP陰性=貧血、急性炎症回復期 γグロブリン↑・Alb↓による:MM、 慢性甲状腺炎、原発マクロ、妊娠 IgG:2~4週で出現 髄膜炎菌は低温で死亡 ヒビテン:グルコン酸クロルヘキシジン 健康肉芽:鮮紅色、出血しやすい、 感染抵抗性大、発赤・腫脹(-) 創傷治癒阻害因子:浮腫、糖尿病、放射線、 微量元素欠乏 術後早期:脂肪分解亢進、水保持、蛋白異化 ストレスに抵抗する方向の作用 新生児の術後で脳梗塞は稀 Treponema:4℃72時間で死滅 輸血後:高K、低Ca、出血傾向 CEA上昇←喫煙、糖尿病、便秘 PIVKA-Ⅱ:VitK欠乏により不活性型となった プロトロンビン、ワーファリン投与で上昇 セロトニン5HT3受容体拮抗薬: 迷走神経の末端を遮断、強力な制吐作用 EIS:静脈瘤の第1選択、降下薬を注入、予防的 出血性、既往、RCS(+)で BTシャント:鎖骨下ー肺動脈を結ぶ→肺血流増加 直接Coombs試験:自己抗体の存在 抗人免疫グロブリン抗体で凝集反応 セカンドオピニオン:診療情報提供書 市町村が保険者 厚生労働大臣が交付 健康診断は保険料交付の対象外 保険料が49%、公費が36%、残りが患者負担 約33兆円、所得の8.8% 健康日本21:健康寿命の延伸、壮年期死亡の減少 生活の質の向上 POMR:問題指向型医療記録 入院診療計画書:入院から7日以内に交付・説明 自殺:その他および不詳の外因死 全感染で、尿路感染が40% PDCAサイクル:Plan-Do-Check-Action 尿道留置=閉鎖ドレナージ法 特定生物由来製品の情報保管:20年 直ビがウロビリノゲンになって尿から排泄 騒音→C5 dip 4000Hz 気管分泌物:健常人にはほとんど無し 急性腹膜炎→鼓腸 Sims位:直腸診、婦人科診察 血圧:睡眠時に最低、起床時に最高 甲状腺機能低下:無関心様症状 舌癌:顎部リンパ節に転移 thrill:弁膜狭窄部・血管の欠損部を 通過する際の乱流 漏出性胸水:心不全、低栄養、肝硬変、 チアノーゼ、Budd-Chiari 滲出性:癌性、感染性 前彎=前方に凸の弯曲 Doderlein桿菌(乳酸桿菌)により グリコーゲンが分解されて腟内は酸性 Barre徴候:中枢性に原因のある片側性筋力低下 特発性浮腫:20~40代の肥満女性 親水性のあるムコ多糖類の沈着により 非圧痕性浮腫 喀痰:うがいの後に採取、37度で保存 血液検査:冷所での保存は駄目 尿比重:1.005~1.025 尿試験紙法では浸透圧は測れない 採血の抗凝固:EDTA・2K、 ヘパリンを使うと血小板が自然凝集 胃癌のGroupⅣなら再検 NNT number needed to treat:新薬治療の患者が 何人に達すると無治療に比べて患者を一人 減らすことができるか 100人で計算する ROC曲線:感度と1-特異度(偽陽性率) 感度が高い:除外診断 特異度:確定診断 検査後確率:陽性反応的中率 尤度比:感度/(1-特異度) オッズ/(1+オッズ)=確率 成長ホルモンは女性の方が高い 急性硬膜下血腫:受傷直後から重篤 ⇔硬膜外:清明期あり、2~数時間後から症状 溺水後12~24時間後に二次溺水 除細動:心基部と心尖部から通電 心停止時にアドレナリン投与する、除細動は駄目 甲状軟骨下縁と輪状軟骨の上縁を切開 リドカイン:心室細動に対して Bellocqタンポン:後鼻孔、鼻孔後方からの 大量出血に対して使用 副木:上下の関節も固定 低血糖発作:血圧正常、冷感、皮膚湿潤 2cmのたばこの誤飲で無症状なら経過観察 胃洗浄禁忌:大量出血の危険、腐食性、 ストリキニーネ:反射による中毒誘発 精巣捻転:6時間以内に血流再開させる Phehn sign:精巣捻転で精巣・精巣上体を 挙上すると疼痛が増強 Malgaigne骨折:前方骨盤(恥・坐骨)+ 後方(腸骨)の合併骨折 伝染性単核球症→安静+アスピリン 稽留流産:22週未満、死亡後無症状で子宮内に停滞 反響言語:Alzheimer型 モルヒネ:呼吸抑制、昏睡、縮瞳、ショック コカイン:興奮、血圧↑、散瞳 パニック障害発作時に自律神経系の興奮 予期不安 ポリソムノグラフィィ:睡眠時無呼吸の検査 大部分は閉塞型 網状皮斑:真皮深層~皮下脂肪境界部の 脈管機能障害、血管炎、リベド 湿疹:表皮の炎症、表皮細胞間浮腫 アトピー性皮膚炎:対称性、冬から春にかけて 白色描記 Koplik斑は麻疹で必須、治癒後に色素沈着 咽頭結膜炎(プール熱):症状消失後2日は 出席停止 角膜感染症:コンタクトでは緑膿菌が最多 他に黄ブ、セラチアなど 浸潤、輪状膿瘍、実質の浮腫混濁、 Ⅰ型糖尿病で後嚢下皮質に進行性の白内障 ステロイド・クロルプロマジンで治療 狭隅角緑内障:瞳孔散大により発症 →縮瞳薬(ピロカルピン)、浸透圧利尿薬点滴、 炭酸脱水素酵素阻害薬内服 虹視症:角膜浮腫による 鼻側から徐々に進行する視野狭窄、 乳頭陥凹の拡大 急性中耳炎:肺炎球菌(50%)、フル菌(40%) 連鎖、黄ブ、切開排膿 くしゃみ:鼻粘膜の三叉神経の刺激が中枢に伝わり 迷走神経が遠心路 アレルギー性鼻炎:RASTでのIgE定量 くしゃみ・水様鼻汁・鼻閉が三徴、副交感亢進 扁桃白苔:伝染性単核、アデノウイルス、A連鎖 滲出性扁桃炎の所見 アデノ扁桃炎:咽頭後壁の敷石像 アスピリン喘息:β遮断は禁忌、テオフィリンは 静注のみ(リン酸エステル型のステロイド)、 アドレナリンは吸入する クレブシエラ:肺炎桿菌、両端が鈍円、莢膜が染色 右心不全による肝腫大 在宅人工呼吸:低換気による高CO2血症の可能性 在宅酸素療法:room airでPaO255Torr以下のとき 結核感染危険度指数:最大Gaffky×咳の持続月数 10以上で高リスク 感染源となるかという根拠は喀痰塗抹検査成績 急性呼吸器窮迫症候群ARDS:血管内皮障害による 透過性亢進で肺水腫 高サイトカイン血症、補体・顆粒球の活性化 ベラパミル:房室結節の伝導を抑制 →上室性頻拍を停止 アトロピン、イソプロテレ:房室結節伝導促進、 伝導障害を治療 リドカイン:Naチャネル遮断、心室性不整脈を治療 期外収縮、心室細動 AFにはプロカインアミド 中年以降男性の心房細動、不整脈、高血圧 →甲状腺機能亢進を考える 前傾座位で雑音増強:Erbの領域、AR 肥大型心筋症:ジギタリス・硝酸・β刺激は禁忌 アルコール:中性脂肪、VLDLを上昇させる 食道癌:大量喫煙、飲酒、 正常門脈圧:10~15cmH2O、20以上で静脈瘤形成 食道静脈瘤:下部に好発、嚥下障害、 肝機能低下時には硬化療法だめ 尿量減少時に含K輸液は禁忌 虫垂炎で高熱があれば緊急開腹術 UC合併:壊疽性膿皮症、結節性紅斑、 中毒性巨大結腸症 内痔核:結紮切除術⇔外痔核:血栓除去術 母子・針刺し感染ではB型肝炎感染が最多 B型:成人では慢性化しない、乳児と免疫不全者で ⇔C型では60~70%が慢性化 劇症化は1~2%で最多、肝癌の15% 急性肝炎:インフル様症状+黄疸、発熱(-) 肝硬変:AST優位 ブスコパン(抗コリン)による胆嚢炎の鎮痛 Charcot3徴:発熱、黄疸、右上腹部痛 Reynolds5徴:上のやつ+ショック、意識障害 慢性膵炎:低脂肪、禁酒、消化酵素剤内服 V型高脂血症:クリーム層+黄色血清、 カイロミクロン+VLDL、急性膵炎を合併 イレウス:口側からの内視鏡・造影剤は禁忌 急性白血病→浸潤細胞による口腔内潰瘍 DIC:フィブリノーゲン<200、FDP↑↑ 赤沈遅延 悪性リンパ腫:可溶性IL-2受容体高値 ネフローゼ:蛋白尿3.5g/日、総蛋白6.0g/dl以下、 アルブミン3.0以下 減塩による浮腫の改善 導尿は1日4~5回 尿路感染に対して水分摂取で排尿回数増やす 妊娠後半期にエストロ亢進による 膣上皮グリコーゲン↑でカンジダ腟炎 エストロ↑で酸性化、カンジダは酸性好き 腎不全ではSU薬・ビグアナイド薬は禁忌 骨転移は脊椎が30% 頸癌:95%が扁平上皮、HPV、経産婦 片頭痛:前兆を伴わないものが85% ジアゼパム:ベンゾ系抗不安、抗痙攣、鎮静薬 呼吸抑制に注意 小脳障害で大字症 熱性痙攣:全小児の4~8%、1~5分で収まる 6か月~3歳が80% てんかん移行:年5回以上発作、20分以上持続、 発熱38度以下、初発が1歳未満・6歳以上 上記の2項目以上ならジアゼパム坐薬で再発予防 肩関節周囲炎:50肩、寒冷時・夜間に強い、 関節拘縮、予後良好 リウマチ→間質性肺炎 BUN:脱水を反映 横隔膜:第3~5頸髄節 甲状腺より先に副腎皮質機能を改善させる そうしないと急性副腎不全を起こす HbA1c:過去6~8週間の血糖コントロールの指標 糖尿病で多食・腹痛 救急蘇生:DONTの順、ブドウ糖液、O2、 ナロキソン(オピオイド拮抗)、 サイアミン(VitB1) 食物繊維:1日25g以上 家族性高コレステ:アキレス腱が側面で9mm以上で 確定診断 痛風の抗炎症薬投与は発作極期のみ、 前兆期はコルヒチン投与 プロベネシド:排泄促進型、腎障害時は使用しない 7以上で高尿酸血症 NikolskyがあればTEN中毒性表皮壊死症 熱痙攣:NaCl不足による有痛性筋攣縮 気管支拡張症:体位ドレナージによる喀痰排出 ADL:日常生活動作 自己導尿は無菌ではない HOT:home oxygen therapy 筋肉注射:中殿筋、三角筋、吸収の悪い薬剤で 鼠径部は内側からVAN 脱水の初期輸液でKは禁忌、利尿を確認後に投与 乳酸:肝で代謝されHCO3→代謝アシドを補正 大量輸血:輸血液中のクエン酸が Caとキレート結合して低Ca血症 エステル型>アミド型で局麻のアレルギー反応 腰椎穿刺:3~4の間、針先は正中から やや頭側を向ける、1~2時間は安静 気胸:側胸部で肋骨上縁から挿入 心膜腔ドレナージ:鎖骨下縁左側と肋骨の間 関節腔穿刺:外側の上方から、大伏在を傷つけない 炎症相(直後~数日)→増殖相(数日~週) →瘢痕相(数週~数か月) PEG:胃瘻、瘻孔は抜去後1日で自然閉鎖 膀胱穿刺:恥骨から2~3横指上の所 モルヒネによるOddi括約筋の収縮 脳死に類似の症状(低体温、急性薬物中毒、 代謝・内分泌障害)は移植から除外 行政:犯罪に関係のない異状死体 司法:犯罪調査 NSAIDs→リン酸コデイン→モルヒネの順 オピオイド:悪心、嘔吐、便秘、眠気、せん妄 地域連携クリティカルパス:複数の病院での 情報共有 高脂肪食で大腸癌、膵癌、乳癌 適度な飲酒:1日純アルコール20g キューブラー=ロスの死の受容: 否認―怒り―取引―抑うつ―受容 糖尿病の自律神経障害により下痢・便秘 腎性乏尿:尿細管壊死によるものが最多 遷延性排尿:排尿しようとして出るまでが長い てんかん発作後に妄想、幻覚 数時間~数日後に消失 群発頭痛:一側眼窩周囲の拍動性疼痛 緊張性:持続性、被帽性頭痛、 後頭部、項部、夕方 左鎖骨上部:静脈角→Virchow転移 尿毒症で皮下組織石灰化による掻痒 突発性発疹:解熱と同時に丘状皮疹 汎発性帯状疱疹:免疫不全、悪性腫瘍に合併 PBC:横断に先行して皮膚掻痒 妊娠末期の妊婦50%が鉄欠乏 妊娠高血圧リスク:20歳未満、40歳以上、初産、 妊娠高血圧の既往、双胎、胞状奇胎 全妊娠の10%、20週以降~分娩後12週まで メチルドパ、ヒドララジン、硫酸Mg 体外受精・胚移植(IVF-ET)でOHSS、多胎 卵巣過剰刺激症候群OHSS:腹腔の血管透過性亢進 血液量減少で腎前性腎不全、血液濃縮 切迫早産:少量の褐色帯下 第一期:開始~子宮口全開大 第二期:~胎児娩出、第三期:~胎盤娩出 産褥期に血栓塞栓症が最多 産褥出血は弛緩出血が最多 赤―褐―黄―白と悪露の変化 新生児低血糖:交感神経症状(-)、無呼吸、 チアノーゼ、嗜眠、痙攣
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/683.html
前ページ次ページご立派な使い魔 「で、ツェルプストーは何をしに」 「殿方! やはり一手お手合わせ願えませんこと?」 問いかけたルイズを華麗に無視して、キュルケはマーラに寄りかかる。 タバサは、友人のその姿に眉をしかめているものの、口出しはしていない。 「お主では到底入りきらぬとわかっていように、どうしたのじゃ」 「ええ。考えたのですけれど、殿方のその無数の触手ならと……」 「……一応、そっちは入る」 わざわざ色目を使いにきたというらしい。このキュルケは。 しかも、タバサを叩き起こしてまで…… ルイズはギーシュ以外にも頭痛の種が増えたと、どす黒いため息を吐き出した。 「グワッハッハ。確かにのう。よう考えたものだわな」 「でしょう? でしたら……」 「しかしな、赤毛の小娘。お主はまだまだ未熟ゆえに、ワシの一部であろうとも受け入れはできまいぞ」 「あ……あたしが未熟?」 はっ、と口を開けて驚くキュルケだ。 盲点を突かれた、とでも言うような。 「ただ受け入れられればよいというものではない。 お主が今まで積んできたあらゆる修練の……その全てが試されるのじゃ。 果たしてお主の歩んできた、全ての道は……ワシを受け入れる自信を生み出せるかな」 「そ……それは……」 キュルケの脳裏に浮かぶのは、これまで微熱とともに誘ってきた数多くの男達。 量も質も、決して悪いものではないと思える。 しかし……その全てが全身全霊を焼き尽くす業火だったのだろうか。 それは、決して肯定しきれないことである。 「あたしは……あたしは、殿方を受け入れるにはまだ自信がありませんわ」 「で、あろうさ。何、人の生は短いが、その密度は悪魔とは比べ物にならぬほどに濃いもの。 お主であれば幾たびかの試練を経て、ワシともやりあえるようになろうぞ」 「はい……!」 キュルケの目に、再び炎が宿った。 しかしこれは、微熱の炎ではない。百年を経ても燃え続ける執念の炎である。 「じゃあ帰るわ。お邪魔したわねルイズ」 「え」 「それじゃいきましょ、タバサ。殿方、必ずや数年後には……!」 「グワッハッハ。楽しみにしておるぞ」 言い残すが早いか、キュルケはまたシルフィードに乗り、その場を去ろうとする。 慌てて、ルイズはそのキュルケに掴みかかった。 「あ、あんた、本当にそのためだけにここに来たの!?」 「もちろん。朝方、ついに殿方を受け入れられる手段を思いついた! ってね。 そうしたら貴方達が出かけようとしていたから……」 「本気で……そのためだけに?」 タバサが、疲れた様子で顔を上げる。 「純粋にそれだけ」 「……わたしの周囲にまともな人間はいなくなっちゃったの?」 控えめにタバサが自分を指差しているが、ルイズは気づかなかった。 もうあまりのショックに、開いた口もふさがらない。 「は……はははは。なかなか情熱的なお嬢さんだね」 「あら、貴方は?」 見るに見かねて、ワルドがフォローに入ってくる。 枯れ木のようになっているルイズを、ワルドは庇うようにして立った。 「なかなか素敵な人ね。ねえ、情熱をご存知?」 「いや知ってはいるがね。しかしその、ご立派へ向けての腰掛けという扱いはご遠慮願いたいな」 「ふふ。そう、残念ね」 あまり残念でもなさそうにキュルケは笑う。 ワルドはその様子に一粒の冷や汗を流しながら、そっとルイズに囁いた。 「……なんというか、苦労していたんだね、僕のルイズ」 「……ええ……」 まあ、でも面白いからという理由で、キュルケとタバサも同行することになった。 お忍びの旅とかはどうでもいいのだろうか。 「もう、ここまで来たら諦めるしかないわ。そうよ、あいつさえ倒せばきっと……」 「期待できねー気もするけどな、娘ッ子」 とまあ、どうでもいいらしい。 宿に到着してもその様子は変わりなかったが、どうせ船が出るのは最速でも明後日という話なので、今日は休むことになる。 急ぎたいところではある。しかしこればかりは、どうにかしろと言ってどうにかなる問題でも……一応、ない。 ワルドは、そのあたりの事情を解説しながら鍵束を持ってきた。 「では部屋割りだが」 「わたし、ワルドと一緒の部屋がいいわ!」 「あら」 「へえ」 真っ先に手をあげたルイズに、キュルケとギーシュが目を丸くする。 同室を自分から申し出るとはなんとも大胆である。 「ルイズってば……とうとう春の訪れかしら」 「積極的な女性というのも悪くはないね」 冷やかしを受けても、ルイズは焦ったりはしなかった。 ただ言い返すのみである。 「ワルドはそんな人じゃないもの。色ボケのあんた達とは違うんだから!」 「は……ははは。そこまで信頼してもらえるのも、まあ、それはそれで複雑だな」 自分から言い出すつもりだったんだけどなあ、とワルドは首を捻った。 まあ手間が省けたと考えれば、それでいいのかもしれない。 「そうなると僕とルイズ。それから、キュルケとタバサ。……ええとだね、ギーシュと……」 「ふむ。いつも通り、ワシは小娘と同じ部屋で……」 「だ、だだだだダメよ! ダメなんだから! ほ、ほほほ、ほら! 婚約者と一緒なのよ!? いいいいくら使い魔ったって、そそそ、そういうのは、ダメ!」 必死になるルイズである。 旅先にまで来てこれと一緒に眠るなどとは、あまり考えたくもない。 そんなルイズに、意外なところから助け舟が出た。 「では、先生は僕と同室ということでは如何でしょうか。 先生のお話を一晩中お聞きするというのは、一度受けてみたかったのです」 なんとギーシュである。空気を読んだ発言だ。 しかも更に意外なことには、 「うむ、そうじゃな。いつも小娘の面倒ばかり見るというのも味気ないわな。 ギーシュよ、とくと語り聞かせてくれようぞ」 マーラまでそう言った。ルイズも、それには驚く。 「あ、あんた達……?」 「ふっ……流石に初夜を邪魔するほどには、ね……」 「最初の一回、未経験ゆえに不手際となる。これもまたよき経験なるかな」 またしても理不尽な誤解。 でも誤解でもなんでも、それで引き下がってくれるんならそれでいい。 そうも思った。 「……そうじゃないけどそれでいいわ」 「うーん……まあ、物分りのいいご友人と使い魔ということになるのかな」 ワルドもヒゲを掻きつつ、困ったように呟いた。 部屋に入って、二人きりになった途端、ルイズはベッドに倒れこんだ。そして手足を伸ばし、吐息をこぼす。 一方のワルドは椅子に腰掛けて、そんなルイズを観察している。 「ああ……開放感。どれくらい久しぶりなのかしら、こんなに素敵な気分……」 「どうしたんだい、ルイズ。随分嬉しそうな声を出して」 「だってワルド……」 ルイズは身体を起こすと、うっとりとした目をワルドに向ける。 「アレがいないの! すぐ傍に、あいつがいないのよ! こんな気分……ここまで爽快だなんて! 部屋がピンク色に染まっていないのって、こんなに素晴らしいことだったのね!」 「そ、そうなのかい。よ、良かったじゃないか」 「ええ、本当に……!」 すっかり顔が緩んでいるルイズだが、逆にワルドは顔を引き締めた。 そして一言一言を誤らぬように、ゆっくりと口を開く。 「ところでルイズ。君に、言いたいことがあるんだ」 「……?」 まだうっとりしていたルイズは、この口調に真剣さが含まれていることに気づき、改めてワルドを見た。 表情もきりりと引き締まっている。受け流していいようには見えない。 「どうしたの、ワルド?」 「この任務が終わったら、僕と結婚しよう」 結。 婚。 「え……」 「ずっとほったらかしにしていたことは謝るよ。でも、今の僕には君が必要なんだ。 君の力は、君が思っているほど小さなものじゃない」 「そんな、でも……」 ワルドの言葉は真剣そのもので、ルイズは夢を見ているのかと錯覚するほどだった。 それに結婚してしまえば、こんな生き地獄からも逃れられるのでは…… そんな夢想が一瞬にして広がる。しかしそれは、当のワルドの言葉で打ち砕かれた。 「実際、君の使い魔はあんなにも強大で、恐るべき力を持っているじゃないか。 使い魔を見ればメイジがわかるとは良く言うけれど、ルイズ。 君はまさにその……」 よりによって。 ここでマーラを持ち出してくるか。この男。 「……ダメよ」 「まさに君の実力を証明する、伝説……え? なんだい?」 「ダメ。今のわたしは貴方と結婚することなんて出来ないわ」 「……どうしてなんだい、ルイズ」 ワルドの表情が曇り、一瞬剣呑な輝きを帯びる。 が、ルイズはその表情に気づくこともなく、告げた。 「わたしの使い魔がいるんだもの。……アレがついてくる結婚生活なんて考えられない」 「……使い魔は常に一緒じゃないか。それは仕方ない……」 「仕方ないなんて割り切れないのよ!」 ルイズは。 気づかぬうちに手を振り、首を振って、全身でプロポーズを拒絶している。 「だからワルド! せっかくのお誘いだけど、わたし、受けることなんて出来ない!」 「ルイズ……じゃあ、どうすればいいんだ?」 「どう……すれば?」 ここだ。ここしかない。 「マーラを倒して。それが出来たらわたし、貴方と結婚する」 「き……君の使い魔を? あのご立派を?」 「そう……そしたら結婚でもなんでもするわ、わたし」 「なんでも、か。それはなんとも、楽しみなことだよ」 凍った表情で、ワルドは小さく呟いた。 そして同時に、 「アレに……勝つ。勝てるのか、僕が……」 全ての虚飾を取り払った『男そのもの』、その矜持が放った言葉だった。 前ページ次ページご立派な使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3400.html
前ページ次ページゼロの斬鉄剣 ゼロの斬鉄剣 4話 ―泣き虫(クライベイビィ)・ルイズ(前編)― 決闘の日の夜 いつものように夕食を取ろうと厨房に入っていく五ェ門 「おお!きたぞ!」 「我らの剣!」 にわかに沸く厨房 「これは一体どうしたというのだ、マルトー殿」 「おう、ゴエモン!聞いたぜ!あの気障ったらしいガキをコテンパンにしたんだってな!」 「あのマセガキ、粗末なもの晒していい気味だったぜ!」 ああ、と昼間の珍事を思い返す 「ゴエモンさん!」 ふいに抱きつかれるゴエモン 「無事でよかったです・・。」 涙を浮かべるシエスタ 「(む・・やわらかいものが・・いかんいかん!)」 「心配ない、あのような軟弱者などは取るに足らん。」 すました顔をする五ェ門。 「いい事言うね!ささ、今日は奮発したんだ。食べてくれよ!」 五ェ門は目の前に並べられた夕食をみて驚愕する。 「マルトー殿、これは今まで出てきた食事とずいぶん風体が変わってるようだが?。」 おう!とにっこりわらうマルトー 「気がついたか!さすが見る目が違うね。その料理はシエスタの故郷の料理でね、是非ゴエモンに食べて もらいたいんだとよ!」 へっへっへとちょっと下品な笑いをするマルトー 照れるシエスタ 五ェ門は並べられた料理みて戸惑う、目の前にはー 「肉じゃが」 「焼き魚」 「ご飯」 「味噌汁」 あっけに取られる五ェ門 「このお皿は豆と肉を煮込んだネクジャゲ、こちらは川魚の塩焼き、メソスープ、それにパンの変わりに 麦を蒸した物です」 「(こ、この世界にこんなものがあるとは・・・・)」 かなり驚いた様子の五ェ門、シエスタが少し不安そうになる 「あの・・・もしお気に召さなければさげますが・・・」 言葉が尻すぼみになるシエスタ 「いや、いただく。」 それはもう、ガツガツと五ェ門は二度と食べられないと思っていた故郷の味を かみ締めていた。 味こそ本物とは誤差があるとはいえ概ね期待通りの味だったのだ。 そしてあっという間に平らげ 「本当に感謝する、じつはこの料理は拙者の故郷の料理とそっくりなのだ。」 えっ、と驚く顔のシエスタとマルトー 「ゴエモンさん?」 シエスタが問いかけるように言葉を発する 「シエスタ、聞きたいことがあるのだが・・この料理は本当にシエスタの故郷の料理なのか?」 「はい、厳密には私の曾祖父の考案した料理なのですが、いまでは郷土料理になっているんです。」 なんと、という顔をする五ェ門、もしやシエスタの先祖は・・と思考をめぐらせた時 「じつは曽祖父はずいぶん遠い国から、はるか東から来たということなのですが、ゴエモンさんの故郷もそれほど遠い場所なのですか?」 五ェ門は天井を仰ぎ、おもむろに 「そうだな・・・遠い遠い東の国だな・・・」 五ェ門はルイズ以外の人間にはまだ”異世界”から来たとは教えていないのでシエスタの “東の国”という表現を使った。 「とにかく、馳走になった。まさかこの地で故郷の味に出会うとは。」 はっはっはと豪快に笑うマルトー 「よかったじゃないかシエスタ、ゴエモン!また材料がそろったら作ってやるぜ!」 「かたじけない。」 深々とお辞儀をする五ェ門 「では、拙者はこれにて。」 おう、とうなずくマルトーとシエスタを背に部屋にもどる五ェ門 「(ゴエモンさん・・・)」 部屋に向かう五ェ門は考え事をしていた そう、夕食の日本料理(に近いもの)についてだ 「(もしやシエスタの曽祖父は何らかの理由でこちらに来た日本人・・・)」 そう考えていた矢先、袴のすそを引っ張られる感触に気がつく 「む、お主は・・・キュルケのフレイムか。」 ぺこりと首を縦に振るフレイム 「(へい、フレイムです旦那)」 ついてきてくれといわんばかりに引っ張るので仕方が無くフレイムの誘いに乗る たどり着いたのはキュルケの部屋 「薄暗い部屋だ・・・」 ふいに、後ろの扉が閉まる 「ロック。」 鍵を閉められたようだ。 「キュルケか?こんな時間にどうしたというのだ・・・」 薄暗いベットからキュルケが近づく 「な!」 月明かりに映るのはあられもないキュルケの姿 ほぼ全裸といってかまわないだろう 「うふ、きてくれてありがとう“ダーリン”」 五ェ門の脳内はたちまちパニック状態になる 「な、なななな何たるふしだらな!」 理性がキュルケを叱りつける 「うふ、はずかしがらないで・・・」 そういうなり首に手を回しキス迫るキュルケ 「あたし、こういう匂い好きよ?」 「や、やめんか!年頃の女子がなんということを!」 クスクスと笑うキュルケ 「わたしの二つ名は微熱、微熱のキュルケよ?あなたが・・・燃え上がらせたんじゃない」 自分がいつ油を注いだのだと心でツッコミをいれ、平静を取り戻そうとする五ェ門 「と・に・か・く・・・たのしみましょ?」 「よ、よせ・・・キュルケ!」 五ェ門はかろうじてキュルケを離す 「あら・・・あたしじゃダメなの?」 とても学生とは思えない言葉ではあったが 「・・・キュルケよ、拙者を見縊るな」 少し怒気をはらんだ声でいうが 「あら、でも顔は真っ赤よ?」 痛いところを突かれる。 しかし、この一言で五ェ門は誘惑から脱することが出来た 「拙者は確かに女子には弱いが、人の道を踏み外す様な真似はしない!」 なんとかキュルケの抱擁を振り切り五ェ門は扉の鍵をはずしキュルケの部屋を辞する 取り残されるキュルケ 「・・・いってくれるじゃないの・・・燃えてきたわ!」 かならずゴエモンをモノにしてやる、と心に誓うキュルケ 「ツェルプストーは狩人の血が流れてるのよ・・・?」 主人から発せられるオーラはフレイムの肝をひやしていくのであった。 「(旦那、あっしをおいていかないでくだせぇ・・・)」 そう聞こえた気がした。 キュルケの部屋から出て正面のルイズの部屋に戻る五ェ門 「あら、おそかったわねゴエ・・・」 ルイズは入ってきた使い魔をみて絶句する 一方五ェ門は突然押し黙ったルイズを不思議そうに見ている。 「ちょっとゴエモン、その・・・その頬についているものは何なのかしら?」 五ェ門はまさか!と考えて鏡を見る 五ェ門の唇にはキュルケの口紅がべったり。 「いや、ルイズこれは誤解なのだ・・・・」 「昼間はあんなに格好よかったのにね」 すさまじい殺気で五ェ門をみつめる 「(むう、なんて殺気だ・・・)」 「いったいご主人様にかくれて何をやっていたのかしらね・・?」 おもわず一歩引く五ェ門 「ま、まてこれはキュルケが強引に・・・はっ!」 「そ・・・そう、ツェルプストーが・・・」 ぼそっとひとこと 「出てけ」 まずいと思った五ェ門 「出てけこの破廉恥サムライ!」 ぼろぼろに泣き出し喚くルイズ 五ェ門はそそくさと退散する 「うかつであった・・・。」 己の至らなさを恥じる五ェ門 とびらの向こうから咽び泣くルイズの声が聞こえる。 いたたまれなくなる五ェ門 今日は外で野宿だな、と庭に出る五ェ門 「(うむ、洗濯場の広場にするか。)」 洗濯場の広場へ足を運んだとき、見慣れない影に気がつく。 「あれは確かキュルケといつも一緒にいる・・・」 その影とはキュルケの友人である“タバサ”とその使い魔と風竜の“シルフィード”だった 人の気配を感じたタバサが振り向くとそこには昼間異様な戦いをした平民がいるではないか 驚いた顔をするタバサ 「・・・あなたは?」 「失礼する、拙者は石川五ェ門と申す、そなたは?」 「・・・タバサ」 五ェ門はタバサの瞳をみるなり面食らった 「(なんという悲しい目をしているのだろう。)」 少々の沈黙 「・・・あなたは」 ふと、タバサから声をかける 「あなたは、どうしてここにいるの?」 ああ、と五ェ門が話す 「じつはルイズと喧嘩をしてな、追い出されたのだ」 ふっと自嘲気味に語る 「そう。」 おおくを聞かないタバサと語らない五ェ門 しばらくの沈黙が続く おもむろにタバサが五ェ門に袋をさしだす 「これ・・・夜食・・・ハシバミ草」 ほう、と五ェ門が一口食べる 「これは不思議な食感だが、美味だな。」 「ハシバミ草は・・・」 「体を暖かくする効果があり、栄養豊富。」 なるほど、差し出した理由を悟る五ェ門 「かたじけない、今夜は野宿なので助かる。」 タバサの好意におもわず頭をなでる五ェ門 ふいをつかれたタバサは目を見開き、うっすらと頬に朱がさす・・・ようにみえた。 「いい・・・気にしないで。」 きゅい、と横からシルフィード 「この子はシルフィード・・・あなたを気に入ったみたい」 五ェ門は一瞥し 「美しい羽の見事な竜だな。」 「(きゅい!ほめられたのね!)」 うれしそうに五ェ門に頬ずりをする 「そろそろ、部屋にもどる・・・」 「タバサ、このハシバミ草はありがたく頂戴する。」 「・・・いい。」 そういうとタバサはシルフィードの背中乗り、自分の部屋の窓まで飛んでいく 「(さて、明日はルイズをどう説得するかな。)」 ハシバミ草をつまみながら五ェ門は眠りにつくのであった。 前ページ次ページゼロの斬鉄剣
https://w.atwiki.jp/welovejpop/pages/1449.html
必聴曲(★は必聴曲/ ★ は運営推薦必聴曲) ★ Bubble gum A夏目 試聴 ★ 涙ばっかのヒロインさん bokula. 試聴 ★ ブレイクスルー BREIMEN 試聴 ★ 波止場にて cadode 試聴 ★ SPICA Faulieu. 試聴 ★ NEW KAWAII FRUITS ZIPPER 試聴 ★ 透明 Laura day romance 試聴 ★ 僕ら願う明日へ NiL 試聴 ★ Sensation Novelbright 試聴 ★ 春か未来 RIRIKO 試聴 ★ スーパー・ジェネレイション RYUSENKEI 試聴 ★ 今が幸せであれ Shiggy Jr. 試聴 ★ 春に迷い込んで SHISHAMO 試聴 ★ エスケープコール SPRINGMAN 試聴 ★ 声にならねえな THE BOYS GIRLS 試聴 ★ 反撃開始 Transit My Youth 試聴 ★ ほんとのきもち アイカワヒトミ 試聴 ★ 暮れる日の栞 アイビーカラー 試聴 ★ 微熱とレモンサワー アルコサイト 試聴 ★ 雑フランダース ダム狂い 試聴 ★ Funky Music ナオト・インティライミ 試聴 ★ kanon ナツノコエ 試聴 ★ マルコ・ポーロ ライスボール 試聴 ★ 遠影 宮沢和史 with 藤巻亮太 試聴 ★ 序章 鯨木 試聴 ★ I won t say 結芽乃 試聴 ★ Lane 犬塚ヒカリ 試聴 ★ Everything Will Be Fine 信野樹奈 試聴 ★ No one compares 生田絵梨花 試聴 ★ シンクロニシティ(素敵な偶然) 竹内まりや 試聴 ★ Voice of an Angel 竹渕慶 試聴 ★ 星のことば 工藤さくら 試聴 ★ 朗読 眉村ちあき 試聴 ★ MAGIC HOUR 808 試聴 ★ 蜃気楼 Blurred City Lights 試聴 ★ エストレヤ Chimothy→ 試聴 ★ Loud Land CLAN QUEEN 試聴 ★ 普通の顔 Hwyl 試聴 ★ 残光 Lambiris 試聴 ★ Tomato Ketchup Idiot letniy 試聴 ★ My Melodic Noel 試聴 ★ favorite jinx omeme tenten 試聴 ★ 午前四時、銀河列車 otona ni nattemo 試聴 ★ NOGOOD♡ Shupines 試聴 ★ 春眠 umitachi 試聴 ★ please me xiexie 試聴 ★ Fancy Girl イノサイド 試聴 ★ ワールド・ワイド・ワールド ここで生きてるず 試聴 ★ 泳いでいた コトノハ 試聴 ★ 愛死美絵無 さよならパリス 試聴 ★ 心がくたばるよ ざらばんし 試聴 ★ 萌芽 せりかな 試聴 ★ 明日の一面 トンボコープ 試聴 ★ Zenith Blue ニドネ 試聴 ★ Everything s gonna be alright! ハシリコミーズ 試聴 ★ Inoma ヨシハラシオリ 試聴 ★ Electricity 宇多田ヒカル 試聴 任意試聴曲(☆は推薦任意試聴曲) Creature ACHILLES 試聴 Replica Albemuth 試聴 罵罵罵 ALL IN 試聴 ZASU aTak 試聴 GRAVITY BsGravity 試聴 2036 Chinozo 試聴 XO DIVINE 試聴 Insomnia eleanor 試聴 滾らせて evening cinema 試聴 LET’S GET STARTED e-ZUKA(from GRANRODEO) 試聴 都会 flex life 試聴 LADY FUGA 試聴 Your Love Furui Riho 試聴 Pain feat. Awich (Prod. TRILL DYNASTY) GADORO 試聴 それでも息を GLASGOW 試聴 Restart KAIKA 試聴 90014 KAPSOUL 試聴 WHATEVER KMC 試聴 Ultimate Anthem lyrical school 試聴 Burn May J. 試聴 Eat Eat Eat MIYAVI 試聴 冒険者たちのうた NARITA THOMAS SIMPSON 試聴 よあけ oono yuuki 試聴 SuperBack~P wave SuperBack 試聴 BANG! TEMPEST 試聴 あることないこと TERRO TERRO 試聴 SUGAR PUFF THE BAWDIES 試聴 AT 4 AM THE DISASTER POINTS 試聴 言祝ぎ Tomochika890 試聴 Rock Out ZIPANG OPERA 試聴 Archly いう”どっと 試聴 キミトライブ!! キミと永遠に 試聴 ハロー!グッドモーニング! グソクムズ 試聴 マンダラピス でんの子P 試聴 笑顔にドッキューン! 横山だいすけ 試聴 夢の、終わりの、そのあとで 壊れかけのテープレコーダーズ 試聴 裸の街 渇き 試聴 ゆれる、たゆたう 亀岡彩 試聴 もうすぐ0時 菊池桃子 試聴 DON’T THINK,POP!! 及川光博 試聴 私はパイロット 橋本絵莉子 試聴 blue 荒井岳史 試聴 神に生かされた俺 山崎育三郎 試聴 サルバドルサーガ 粗品 試聴 パンクソーラン 太田家 試聴 歓びのブルース 島袋優(BEGIN) 試聴 my dear boy 藤原さくら 試聴 ニモ(荷物をおろして) 入江陽 試聴 COLORS 逹瑯 試聴
https://w.atwiki.jp/jutsuden/pages/248.html
累積: - ___ 昨日: - ___今日: - 術伝流一本鍼no.57 (術伝流・養生の一本鍼・応用編(9)) 筋痛症(線維筋痛症の初期症状に近いもの) 1.基本的に 2.ツボが出やすい所1)上腕、大腿の陰経側 2)腹部の腹証の出ている所 3) 2)の背中側 4)1),2),3)と経絡的に関係する手足のツボ。 3.手順など1)先急:患部周囲の邪気を減らす 2)養生:水毒や瘀血を減らす 3)食養なども勧める 4.症例1)左腕の激痛 2)足首捻挫の後遺症 3)リウマチ薬で数値は下がったが、症状が改善しない 5.おわりに お知らせとお願い術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集 感想など 1.基本的に 普通の運動器系疾患とは思えないほどの激痛を訴えるが増え ています。90年代後半から見かけるようになり、2000年以降 は毎年増加傾向にあります。腕の場合は、首肩も痛むが、腕の 痛みやシビレの方が酷いことが多く、モノが持てなくなること もあります。 線維筋痛症の発症時に似ていますが、手足どれか1本だけの ことが多いです。病が進行して、全身に痛みが出ると、線維筋 痛症と診断されるようです。 原因不明で治療法がなく、タライ回しになることが多いよう です。左腕の場合には、心臓系の疾患を疑われますが、検査し ても異常が見られません。 水毒や瘀血が疑われる腹証や背部症候が見られます。腕なら、 腹証は、患側の胸脇苦満、心下痞などです。腕で、背部の兆候 は、患側の脊椎7~11番の華佗経や痞根にツボが出ます。腿なら、 患側の瘀血証のこともあり、鼠径部の辺り(五枢~維道、居髎)、 仙骨の周り、腰徹腹にツボが出ます。 患側の上腕や大腿の陰経側に、邪気が溜まっていることが多 く、切経をすると、非常に痛がります。鍼をすると、ピリピリ ビリビリした感じを訴える人が多いです。ただし、自覚痛は無 いことが多く、切経の前には痛みを言わないことが多いです。 初めての発症は、運動した直後、手術や出産などの後などに 多いようです。手術や出産の後に発症した場合は、瘀血証の徴 候が出ています。 腹部の水毒や瘀血から発生した邪気が、上腕や大腿の陰経側 に溜まり、感覚神経に不正なインパルスを発生させているので はないかと考えています。邪気は、生体内雑電気なのかなと言 う感じもしました。 また、運動後に発症した場合は、運動時の骨格筋の活動電位 が切っ掛けの可能性も頭に浮かびました。 治療は、運動器系の応急処置に、腹部の水毒や瘀血を減らす 養生を組み合わせています。 食養は、和食を勧めます。また、添加物や精製物は、減らし た方が予後が良いことが多いです。水毒や瘀血を減らす漢方薬 を併用した方が治りやすいと思うので、漢方の専門医に研究を してほしいなと思っています。 添加物や精製物の多い食事と、パソコンや携帯の使用が、こ のような症状が増えた要因の一つではないかと思います。パソ コンや携帯を使う人が多くなってから、こういう症状を訴える 人が多くなってきたように思いますので。 また、以下のような話も有り、全体として化学合成物の摂取 を減らす必要が有るように思います。 「やはり薬の影響だった」 2.ツボが出やすい所 1)上腕、大腿の陰経側 脇の下~上腕陰経、大腿陰経側、その2つの筋肉の溝の中で、一番 凹んでいる所。 2)腹部の腹証の出ている所 水毒なら、鳩尾、中脘、承満、章門、上肓兪など。 瘀血なら、五枢~維道、関元、居髎、下肓兪など。 3) 2)の背中側 水毒なら、胸椎7~11番の華佗経、痞根など。 瘀血なら、腰椎3~5番の華佗経、腰徹腹、上仙、次髎、仙 腸関節など。 4)1),2),3)と経絡的に関係する手足のツボ。 上腕や大腿の陽経側、肘膝から先に出ているツボ。 3.手順など 1)先急:患部周囲の邪気を減らす 先ずは、患部周囲の邪気を減らし、辛さや痛みを軽くします。 手順は、基本的には、運動器系の応急処置と同じです。 手足甲陽経側→手足末端陰経側→上腕や大腿の陰経側→腕や腿の陽 経側→手足甲陽経側。 上腕や大腿の陰経を丁寧に調べ刺鍼します。 2)養生:水毒や瘀血を減らす 腹部の水毒や瘀血を減らしながら、患部の痛みや辛さを減ら していきます。 仰向けになりにくいようなら、先ず1)をして、仰向けにな れる位には改善します。 慢性期の養生の型をし、必要なら灸をします。 鍼のみで変わりにくいツボが見付かったら、灸頭鍼や補の灸 も併用します。 3)食養なども勧める 和食を勧めます。 添加物や精製物を減らすよう伝えます。精製物とは、白砂糖 や、NaClが100%に近い食塩、白米、精白小麦粉などです。 それらを、味醂、ハチミツ、メープルシロップ、和三盆、黒糖 や、自然塩、玄米、全粒粉などに変更します。また、甘味は量 も少なくするようにします。添加物は、化学調味料はじめ化学 合成物で食品に添加されているものです。 食養に関しては、術伝流操体に詳しく書きました。 術伝流操体no.81 食の自然則:基本は和食 術伝流操体no.82 自炊は無理なく 術伝流操体no.83 18時間断食、カゼの食養など 4.症例 1)左腕の激痛 術伝流一本鍼no.17 左腕の激痛(線維筋痛症の発症時に 似ている)を参照してください。 2)足首捻挫の後遺症 右足の内踝(くるぶし)から親指の右足内側横側面に、抜歯時 の麻酔注射の後のようなシビレ感(感覚異常)が続いていると 言う人。麻痺して感覚がまるで無いわけでもなく、動かせない わけでもなく自由に動かせるとのこと。 この人は、ネットの筋痛症関連の掲示板が縁で、術伝の通し 稽古に来てもらいました。通し稽古は午前中で終わりましたが、 面白そうな症例なので、術伝講座の参加者にも参考になると思っ たこともあって、午後まで残ってもらい、施術させてもらいま した。 発症後9カ月で、筋痛症治療で有名な石川の整形外科に2回 通い、近所のTP鍼の所や麻布のTP注射にも通っているが、改 善が思わしくないということでした。 局所のみの異常かどうか分からないので、先ずは、仰向けで、 全身診察させてもらいました。 脈は、実でしっかり打って元気そう、ただし、体格に比べ、 少し細めかなと思いました。舌裏側の血管が両側ともドス黒く、 瘀血証の兆候でした。上腹部は、特に左側が硬く、水毒もあり そうでした。臍周囲も左側が硬く、鼠径部も左側が硬い状態で した。 患部の位置が右足太陰脾経なので、大腿の足太陰脾経の左右 差を診てみました。 大腿部も左側にツボが出ていました。下腿の足太陰脾経の左 右差を診ていくと、右側の脹ら脛が終わる辺り(漏谷)にツボ が出ていました。そして、この辺りから先は、右側にツボが出 ていました。また、下腿までは、それほど冷えていないのに、 足首から先は非常に冷えていました。 腰椎や坐骨神経などに関係しているなら、こういうツボの出 方や冷えの出方は変だなと思いました。出ていたツボを患者さ んにも確認してもらい、右足に怪我か何かしなかったか聞いた ら、右足首捻挫を繰り返したとのこと。その後遺症の可能性が あるなと思いました。 施術は、経過が長いので、慢性期と考え、養生の型で、左手 陰陽、左横腹の順で刺鍼していきました。初めての人だし、大 勢が見ていることもあって、左鼠径部は、打鍼をしました。そ れから、臍周囲、左上腹部、左大腿の順で刺鍼しました。 それから、右に移って、漏谷の辺り。ここは1cm位の太さ の筋張りになっていたので、2カ所ほど刺鍼して筋張りを無く しました。 足首近くの大谿の辺りに出ていたツボに刺鍼したら、古そう な邪気が出てきました。それと、捻挫の後遺症なら瘀血の滞留 もあるかなと思い、置鍼し、墨モグサで灸頭鍼をしました。 内踝前方の商丘あたりも凹んでいてツボが出ていました。刺 鍼したら、そこでも古そうな邪気を感じたので、置鍼し灸頭鍼 をしました。 公孫の辺りも大きく凹んでツボが出ていたので、刺鍼したら 大量の邪気が出てきました。同じく、置鍼し灸頭鍼をしました。 公孫の辺りの灸頭鍼では、灸頭鍼中に、鍼がしばらく震えてい たので、かなり大量の邪気が出ていっているのかなと思いまし た。 これだけ大量の邪気なら、邪気の出口を末端に作った方が良 いかなと思ったので、隠白にも置鍼し、打鍼用金属棒で、弾鍼 しました。 公孫の辺りの灸頭鍼は、初めセイリンのラック灸でしたが、 足りなそうなので、釜屋の温暖を追加しました。炭の量が、温 暖の方が、ラック灸の倍位あります。 患者さんが熱さを感じたそうなので、紙を挟んで熱さの調整 をしたりしながら、燃え尽きるまで待ちました。 終える頃には、何故か、先に刺鍼した漏谷あたりも赤くなり、 しかも直径2mm位の赤いブツブツが数個出てきました。灸頭 鍼を取り去ってみると、大谿、商丘、公孫の辺りも似たような 感じでした。それと、内踝から土踏まずにかけて、イトミミズ のような細絡が目立つようになりました。奥の瘀血が動いたか なと思いました。 患部の感じを聞いたら、改善したということでした。表情も 晴れ晴れとした笑顔になりました。座位になってもらい、頭頂 部の近くの足厥陰~足太陰に関連すると言われる所に出ていた ツボ2つに刺鍼しました(頭刺 術伝流一本鍼no.13)。 その後、頭の熱い所に散鍼し、手甲への引き鍼し、仕上げま した。 筆者の私も、若い頃の左肩甲骨の打撲の後遺症で、その辺り の感覚異常に、長い間、悩まされました。それと同じような感 じだったので、分かりやすかったです。 下腿の脹ら脛の終わる辺りから先だけ、右にツボが出ていた のに気付いて、怪我か何かしたかという質問ができたことが、 改善への切っ掛けだったように思いました。 このような訴えや線維筋痛症などの患者さんには、打撲捻挫 したかや手術歴などを聞く必要を改めて感じました。良い経験 をさせてもらい、勉強になりました。 この人を紹介してくれた大阪の鍼灸師さんから、本人からの メールのコピーを含め、コメントをもらいました。 「当人からのメール添付します。『今日、金子先生の通し稽 古の受け手役に参加して来ました。今までの足の麻痺がかなり 取れました。感謝ですよ~。今までの鍼灸は何だったのって感 じで、とても晴れ晴れな気持ちで帰宅中です。痺れの元は、昔 捻挫を何回かして内出血して、汚れた血が溜まったみたいです。 帰りにドラッグストアでお灸買って、金子先生の言われた場所 にお灸します。いやー神業です。今まだ 興奮しています』。 病態の把握が的確だった症例と思います。知人の一人として感 謝いたします」 以下の返信をしました。 「メール紹介ありがとうございます。自分と似たことが原因 だったので、分かりやすかったです。こんなに喜んでいただけ ると、こちらとしても非常に嬉しいです」 3)リウマチ薬で数値は下がったが、症状が改善しない メールで「2年ほど前から関節の腫れ痛み、リウマチ薬で数 値は下がったが、症状は改善しない」という相談を受け、講座 にモデル患者さんとして来てもらいました。話の感じから線維 筋痛症の初期症状のような感じを受けました。 1回目 現在いちばん困っていることを聞いたら、左手首の痛みと言 うことでした。が、今まで見てきた人との比較のため、先ず腹 診をさせてもらいました。案の定、左胸脇苦満(写真1)、心 下痞があり、左脇の下から左上腕陰経側に痼りもありました。 写真1 ただ、初めてなので、先ず、応急処置として、左手首の辛さ の改善をすることにしました。要するに、体が邪気を出したがっ ているのに、手首の所で詰まって出られないから、辛いんだろ うなと思いました。 頭を触って熱い感じがしなかったので、手甲の引き鍼は省略 し、左手首内関から施術開始しました。次に、手甲の2~3間 と3~4間を比較したら、3~4間がイヤな感じとのことでした。 そこに出ていたツボに刺鍼したら(写真2)、中指と薬指、特 に薬指の方に何か動いているとのことでした。 写真2 ああ、この人も邪気の動きが分かる人だなと思い、それが減っ たら言ってくれるように伝え、刺鍼を続けました。邪気が減っ たように感じたので、患者さんにも確認してから、抜鍼しまし た。 抜鍼した後、左手首を動かしてもらったら、良くなったと言 うので、仕上げに移りました。指の井穴に邪気の出口を作って おいた方が良いように思ったので、左手中指薬指の井穴を調べ ました。薬指両側、中指の薬指側の3カ所にツボが出ていたの で、透熱灸をしました。 夕方「…本日の施術は、まさに瞬時に効果を実感できました… 一針で体があれだけ反応するとは、驚きでした。」というメー ルが届きました。ありがたいなとも思ったし、改めて良かった なと思いました。 症例としては、「術伝流 先急の一本鍼No.17」とよく似て いるので、次は、慢性期の養生も含め、そういう治療をするの で、読んでおいてもらえるよう伝えました。 2回目 2回目なので、慢性期の養生の型でやらせてもらいました。 腹診では、心下痞と左胸脇苦満でした。しかも、左上腹部と 左肋骨下部を比べると、左上腹部の方が、ほんの少しだが、床 からの高さが高い状態でした。普通は肋骨の方が高いのに。 その後、腕と胸、腕と背の間に張っている筋肉を調べたら、 痼りと圧痛がありました。 左上曲沢の刺鍼(写真3)で、腕と胸の間の筋肉内の痼りが 柔らかくなりました。変化の速さにびっくりしました。 写真3  腹部の刺鍼中(写真4)に、大量の汗が出てきました。腹筋 内に溜まっていた水毒かなと思いました。 写真4 背中を刺鍼しようとしたら、汗が沢山出ているの状態でした。 拭いて、胸椎7~11番の左華佗経と左痞根に出ていたツボに刺 鍼したら、また大量の汗が出てきました。しかも、ヌルヌルベ タベタした感じした。筋肉内に溜まっていた水毒だろうなと思 いました。 普段は、余り汗をかかないとのことで、それで水毒が出にく く発症に繋がったのかなと思いました。 左大椎回り、背と腕の間に張る筋肉内の痼りにも刺鍼しまし た(写真5)。  写真5 今回も、邪気の動きなど刺鍼中の体の中の動きを沢山言って もらえたので、それも参考に刺鍼しました。あと、体の変化の 大きさにもビックリしました。鍼が向く体質なのかなとも思い ましたし、鍼灸師になったら、名人になりそうな感じもしまし た。 やはり、病態、ツボの出方、変化の仕方が、 「術伝流一本鍼No.17」の症例に良く似ていました。 3回目 汗をかきにくいということだったが、急いで来たせいか、診 察の時点で全身汗ばんでいました。先回も同じように急いで来 たということだが、診察時点では発汗は見られず、鍼灸してか ら汗をかいたので、体が変わっていっている感じがしました。 また、左前腕外側に引っ掻き傷がありました(写真6)。痒 いので掻いたということでした。これも、痒みとして出てきた ので良い傾向かなと思いました。 写真6 治療は、2回目とほぼ同じにしましたが、仰向けで腹に刺鍼 した後、左脇の下から左上腕陰経に出ていたツボに刺鍼するの を加えました(写真7)。案の定、ここにも邪気がいっぱい溜 まっていました。 写真7 鍼灸したら大量の汗というのも、前回と同じでした。また、 腹に刺鍼後、上腹部と肋骨下部の高さが、若干だが肋骨の方が 高い感じになったので、左上腹の水毒をかなり減らせたかなと 思いました。 今回も、刺鍼中の邪気の動きを言ってもらいながら刺鍼しま した。「爪の根元から出ている」という言葉に、「井穴!」と 周りで見ていた一同唖然としました。しかもどっち側かも言え ました。 筋痛症系の患者さんは、邪気の動きが分かる人が多いが、こ こまで細かく特定できた方は初めてでした。鍼灸師になったら 名人になりそうだなと、あらためて思いました。 今は、こういう感じの筋痛症系の症状の人が多いので、3回 の治療を講座参加者の皆さんに見てもらうことができて良かっ たなと思いました。 夕方帰宅したらメールがきていました。 「今回の施術後は体がとても楽というか軽快になりました。そ れから、思わぬ、というかやはりというべきか、別の部分に効 果が出ました。2日ほど前から痛みがあった扁桃炎が、ほとん ど治っていました。今朝は痛みと腫れがあったのですが、施術 終了直後から治まったことに気付きました。普通は、治まるの にもっと時間がかかるのですが、今回も鍼の即効性に、驚かさ れた次第です」 とのことでした。 5.おわりに 私自身も、外傷性瘀血証に因る筋痛症系の症状に長期間悩み ました。その辺りは以下に書いています。 私の筋痛症系の病歴 ーーー 追記:2020.10.20 ーーー 治打撲一方という漢方薬(江戸時代医師 香川修庵の創案) を知ったので、打撲したら治打撲一方を飲むようにしてます。 また、古傷と成って疼くようなら桂枝茯苓丸を飲みます。 ただし、桂枝茯苓丸の方は、体質に因って向かない場合も有る そうで、漢方専門医や漢方に詳しい薬剤師に相談してください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 次へ>>>術伝流一本鍼no.58 >>>目次へ・・・・・・・・・術伝流一本鍼(あ) >>>このページのトップヘ・・術伝流一本鍼no.57 >>>術伝HPトップへ ・・・・トップページ 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 お知らせとお願い 術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。 くわしくは、術伝流のモデルをみてください。 よろしくお願いします。 感想など 感想などありましたら、術伝事務局までメールをください。 よろしくおねがいします。 術伝事務局メルアド :jutsuden-jmkkあまググどこ (この行は無視してください。akwba、laemfro、thgosewibe) (「あま」を「@」に、「ググ」を「googlegroups」に、) (「どこ」を「.com」に変えて送信してください。 ) (面倒をおかけし申し訳ありません。迷惑メール対策です) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 >>>術伝HPトップへ ・・・・トップページ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1755.html
前ページ次ページゼロの大魔道士 『炎蛇』のコルベール。 彼はトリステイン魔法学院の学院長オスマンの片腕として知られている一教師。 火系統の魔法を得意とするトライアングルメイジで、その腕前は見たものこそほとんど皆無ではあるものの、凄腕だと噂されている。 そして、魔法の更なる活用法を発見しようと日夜研究している変人としても名が知れ渡っている。 教師としての評判はそれなりに悪くはない。 権威や主義に凝り固まった教師の多い中、コルベールは時折自分の世界に入り込むことを除けば気さくな大人だったからだ。 「…と、いうわけです」 そんな彼は今、学院長室にいた。 本日行われたサモン・サーヴァント及びコントラクト・サーヴァントの結果報告のためだった。 しかし、その表情は暗い。 原因は言うまでもなく、その左手の甲に刻み込まれているルーンの紋様にあった。 (ああ、何故こんなことに…) ううむ、と唸るように考え込む表情を見せるオスマンを前にしてコルベールは真っ青な表情で立ち尽くす。 謎の平民の少年に刻まれたはずのルーンが自分に刻み込まれる。 しかもその原因と思われる少年は逃走。 残ったのは自分の手に浮かぶルイズの使い魔の証であるルーン。 (始祖ブリミルよ。私が一体何を……) したというのですか、とは繋げられなかった。 過去を掘り起こせば十分自分はこんな目にあうにふさわしい所業をなしてきたのだから。 これも贖罪なのか… コルベールは今更ながら真剣に自分の過去を悔やんだ。 「ふむ、大体の事情はわかった」 ギシ、とオスマンの座る椅子が軋む。 身を乗り出すようにして自身を見つめるオスマンにコルベールは冷や汗をかく。 どう考えても今回の事件は学院設立上最大の汚点となる事件である。 オスマンがどういった判断を下すのかは不明だが、最悪の場合はクビも覚悟せねばなるまい。 ぐびり、とコルベールは緊張に生唾を飲み込んだ。 「で、柔らかかったかね?」 「は?」 オスマンの第一声は意味不明だった。 柔らかい? 何が? 「またまた。お主がミス・ヴァリエールの使い魔になったということは…したんじゃろ、唇と唇をぶちゅっと!」 このこのっ。 ニヤけた表情で自分をつついてくる老人にコルベールは呆然となる。 が、すぐにその表情は憤怒へと変化する。 この老人は、自分が真剣に悩んで報告をしたというのに、ロクに話を聞いていなかったのだ。 「…オールド・オスマン?」 「なんじゃ、そんなに照れ……ぬおっ!」 ゾッとするような声がオスマンの耳に届いた。 やばい、流石にやりすぎた!? 自分に恐怖を与える男に、オスマンは場を和ませよう作戦が失敗したことを悟った。 なお、オスマンがコルベールをなだめるのに要した労力は普段秘書に行っているセクハラの謝罪の三倍くらいだったという。 「こほん。しかしまたとんでもないことになったもんじゃの」 「はい。情けないことですが、正直私も途方に暮れていまして…」 項垂れるコルベールにオスマンはさもありなんとばかりに頷く。 突然自身の生徒の使い魔になってしまったなど、想像を絶する事態である。 しかも主である相手はゼロのルイズことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 もしも自分が彼の立場だったらと思うと、羨まし…ごほん、耐えられるものではないだろう、色々と。 「ところで、ミス・ヴァリエールはどうしたのかね?」 「それが…逃亡した少年に向けて一通り罵声、あ、いや、叫んだかと思ったらふっと気絶してしまいまして」 「まあ、無理もないがの…」 契約しようと思ったドラゴンは逃げた。 更に、契約を交わしたはずの平民は契約を解除してやはり逃げた。 これでショックを受けない方がおかしい。 「しかしどうするんじゃ? 件のドラゴンと少年は逃亡したまま。 このままじゃとお主がミス・ヴァリエールの正式な使い魔ということになるが…」 「……」 オスマンの問いにコルベールは答えられない。 サーヴァントの儀式は始祖ブリミルに祝福された神聖な儀式である。 つまり、主側も使い魔側もお互いに結果に対して異議を唱えてはならない。 だが、今回のこれは通常とはとても言いがたい事態だった。 「…まずは、ミス・ヴァリエールの目が覚めるのを待つことにします」 「まあそれしかないじゃろうな…しかしコルベール君。もしもミス・ヴァリエールが君を使い魔にすると決めたらどうするのかね?」 「……彼女の意思に従います。立場としては私の方が従なのですから」 ともすれば溜息が漏れそうな表情をしながらも、コルベールはキッパリとそう宣言した。 過程がどうであろうと、結果がこうなっている以上、決定権はルイズにある。 それに、元はといえば自分の油断が招いたミスなのだ。 「ふむ、そこまでの決意ならば止めたりはせんが…しかしドラゴンのほうもじゃが、逃亡した少年が気にかかるところじゃの」 「はい。あまりの事態にデティクトマジックを使うことすら忘れていましたが…」 思い出す。 少年は確かに空に浮いて逃亡した。 しかも気がついた範囲では詠唱の声は聞こえなかったし、杖も持っていた様子はなかった。 「詠唱なし、杖なしでの魔法行使。その上コントラクト・サーヴァントの解除」 「できるものなら是非話を聞いてみたいものじゃが…」 それは無理だろう、と二人の男はそれぞれの理由で溜息を漏らすのだった。 男二人が顔をつき合わせて溜息をついていたその頃。 「ああっ、ジャン…っ!」 とある一室で赤い髪の女性がベッドの上で転げまわるという奇態を披露していた。 彼女の名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。 通称『微熱』のキュルケ。 燃えるような美貌とグラマラスな肢体で数多の男を魅了する彼女は今、たった一人の男に恋焦がれていた。 その男の名はコルベール。 先程の儀式で彼女の仇敵たるルイズの使い魔になってしまった男である。 「ああ、貴方のことを思うと胸が熱くなる…そう、これが…私の微熱!」 バッと起き上がり、両手を胸の前で拝むように組む。 頬は朱に染まり、その頭からはハートマークが乱舞している。 キュルケという女性は惚れっぽい。 それゆえにこういった行動に出ることは珍しいことではなかった。 だが、今度は相手が相手である。 相手は一回りどころか二倍以上の歳上、しかも容姿的にも良いとは言えず、パッと見はうだつのあがらない中間管理職。 いかにキュルケといえども惚れる要素が全くないような相手なのだが… コルベールがマザードラゴンの羽ばたきに吹き飛ばされたあの瞬間。 キュルケは彼をその豊満な胸で受け止めていた。 いや、厳密には受け止めたのではなく受け止めさせられたのだが、そこは割愛する。 とにかく、コルベールを受け止めた彼女はその瞬間に恋に落ちた。 意外にガッシリした体躯。 胸を焦がす熱い体温(胸に突っ込む形になっていたハゲ頭が太陽熱で熱されていただけ) 猛禽のように前方を睨みつける凛々しい眼差し。 多分にフィルターが入ってはいるものの、キュルケはそれらを感じ、落ちてしまったのだ。 勿論、最後まであの場に残っていたのはコルベールを見つめていたからである。 まあ、ルイズが心配だったという点もなきにしもあらずなのだが。 一方、そんなキュルケの奇態を一顧だにせず黙々と本のページをめくる少女がいた。 キュルケの親友にして『雪風』の二つ名を持つタバサである。 彼女は、キュルケの様子を全く気にすることなく(というか慣れただけ)本に目を落とし続けていた。 だが、その頭に文字は入っていなかった。 彼女は別のことを考えていたのだ。 それは逃亡したルイズの使い魔のこと。 彼は杖もなしにフライに似た浮遊をし、かなりのスピードで逃げ出した。 しかも、詠唱をしていた様子も見られなかった。 (先住魔法…?) エルフが使うといわれる杖を必要としない魔法。 少年が使っていたのもそれだったのかと考えるが、すぐにその思考は打ち消される。 少なくとも少年の見た目はエルフには見えなかった。 擬態しているという可能性もあるが、彼の立ち振る舞いを見た限りではそうとも思えない。 無論、エルフを見たことがあるわけではないのでタバサとて断言はできないのだが。 (それよりも) だが、タバサが注目しているのはそこではなかった。 誰も使用の瞬間を見ていなかったと思われていたポップのシャナク。 彼女はそれをハッキリと見ていたのだ。 知る限り、コントラクト・サーヴァントを解除する方法は使い魔の死しかありえない。 にもかかわらず、あの少年はそれを生きたまま成し遂げた。 これは控えめにいっても異常である。 しかしタバサはポップに対し恐怖を覚えたというわけではなかった。 むしろ向けた感情は興味だったといえる。 何故ならば、彼は自分の望みをかなえてくれる存在なのかもしれなかったからだ。 自分の知らない魔法(?)を扱う少年。 彼ならば、あるいは… 「なんとしても、探し出す」 タバサは、決意の瞳で本を閉じた。 前ページ次ページゼロの大魔道士
https://w.atwiki.jp/cwc_dat2/pages/193.html
侍道ポータブル ID+ゲーム名所持金最大 体力最大 HP最大 武器硬度3級 武器硬度5級 体力+32767 攻撃力+799% 防御力+799% 殺人数最大 全称号 全武器所持 武器変更 第1武器技能全開 第2武器技能全開 第3武器技能全開 侍度9999 ID+ゲーム名 _S ULJS-00155 _G Samurai Dou Portable 所持金最大 _C0 MONEY MAX _L 0x10554C3C 0x0000270F 体力最大 _C0 INFINITE HP _L 0x6058C9B0 0x00001388 _L 0x00010002 0x00000058 _L 0x20000508 0x00000000 HP最大 _C0 HP MAX _L 0x60543960 0x00001388 _L 0x00010001 0x00000544 武器硬度3級 _C0 WEPON TOUGHNESS CLASS 3 _L 0x6058C9B0 0x00000002 _L 0x00010003 0x000006EC _L 0x90000008 0x00000000 武器硬度5級 _C0 WEPON TOUGHNESS CLASS 5 _L 0x6058C9B0 0x00000004 _L 0x00010003 0x000006EC _L 0x90000008 0x00000000 体力+32767 _C0 HP+32767 _L 0x6058C9B0 0x00007FFF _L 0x00010001 0x000006EE 攻撃力+799% _C0 ATK+799 _L 0x6058C9B0 0x00007FFF _L 0x00010001 0x000006F0 防御力+799% _C0 DEF+799 _L 0x6058C9B0 0x00007FFF _L 0x00010001 0x000006F2 殺人数最大 _C0 KILL MAX _L 0x105550C0 0x0000270F 全称号 _C0 ALL TITLE _L 0x8055507C 0x000D0002 _L 0x100003E7 0x00000000 全武器所持 _C0 ALL WEPON _L 0x405439D4 0x00350004 _L 0x07D00001 0x00000001 _L 0x405439D8 0x00350004 _L 0x03E70004 0x00000000 _L 0x405439DC 0x00350004 _L 0x0FFF0FFF 0x00000000 武器変更 _C0 WEPON CHANGE _L 0x6058C9B0 0x000000xx _L 0x00010001 0x000006E8 +武器一覧 xx= 00:中庸刀 01:東風 02:活火山 03:愛染 04:二代菊正 05:春雪 06:一髮丸 07:十六門 08:大黒生 09:竹冨士 0A:叫鷄刀 0B:神風 0C:微熱 0D:殘月 0E:殘月 0F:十戒丸 10:花鳥風月 11:燉 12:來福 13:那麻辣哭刀 14:毒蟲 15:那麻辣哭刀 16:初代玉光 17:中元 18:權太 19:他哭媽 1A:有米黶 1B:那麻辣哭刀 1C:爛赱 1D:馬并 1E:好字庫 1F:那麻辣哭刀 20:恐山 21:鬼火 22:東方不敗 23:那麻辣哭刀 24:千艸 25:浮雲 26:他呀媽 27:那麻辣哭刀 28:彼岸 29:大納言 2A:紅天女 2B:忍者刀 2C:忍者力 2D:烏拉迯課 2E:哇路賽伊 2F:妹守展政 30:巨峯 31:失樂園 32:親不知 33:斷未魔 34:十萬石 35:鐡觀音 第1武器技能全開 _C0 1ST WEPON SKILL ALL _L 0x805554D8 0x00200001 _L 0x00000002 0x00000000 第2武器技能全開 _C0 2ND WEPON SKILL ALL _L 0x80555958 0x00200001 _L 0x00000002 0x00000000 第3武器技能全開 _C0 3RD WEPON SKILL ALL _L 0x80555DD8 0x00200001 _L 0x00000002 0x00000000 侍度9999 _C0 SAMURAIDO 9999 _L 0x10554B90 0x0000270F
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1044.html
ギーシュ・ド・グラモンは敵の攻撃から身を隠しながら考えていた。 どうやってモンモランシーと仲直りできるかを必死に考えていた。浮気がばれて以来モンモランシーが口をまともに利いてくれないのだ。 しかし命の危険が間近に迫っているのになぜこんなことを考えるのか? 勿論現実逃避だ。 ヨシカゲやルイズには強気なことを言った怖いものは怖いのだ。この場で冷静に振舞えたのも現実を受け止めずにいたからに過ぎない。 わかってはいるのだ。現実逃避していてはだめだと。わかっているのだがやはり怖い。 キュルケやタバサを見ると二人とも慌てた様子もなく怯えた様子もない。むしろこれぐらいがどうしたという感じがする。 二人を見ていると突然キュルケがこちらを見る。 「ギーシュ、あなたよく冷静でいられるわね。てっきり見栄張って無茶するか怯えてビクビクするかどっちかだと思ってたんだけど」 「普段ぼくをどんな風にみてるんだい……」 図星を突かれ少し動揺する。そしてそんなに頼りなく見られていたのかと思うと悲しくなる。しょうがないじゃないか、怖いものは怖いんだ! しかしふと思い出す。 (命を惜しむな、名を惜しめ) 父の言葉だ。 そうだ、今自分が怖がってどうするんだ。死ぬのを怖がってどうする!それに女の子に守ってもらうなんて情けなさ過ぎるじゃないか! 普通男が女を守るものだろう! そうだ、まさに今この状況こそが父の言葉を、ぼくのプライドを見せ付けるときじゃないか! 「いいかい、ぼくはグラモン元帥の息子だぞ。卑しき傭兵ごときにどうして怯えなくちゃいけないんだい?」 本当は物凄く怖いに決まってる。でも今こそ父上の言葉を受け止め真の男になるんだ!ギーシュはそう思った。 「ふ~ん、案外根性あるじゃない。少し見直したわ。」 「女の子を守るのは男の役目だからね」 「期待しとくわ」 ギーシュの言葉にキュルケが笑いながら返す。そしてキュルケは杖を指で回転させ握りなおす。 「じゃあおっぱじめますわよ」 キュルケの眼が輝く。戦場だというのにまるで『これから舞台が始まるぞ』って感じな眼だ。 「ねえギーシュ、厨房に油の入った鍋があるでしょ」 「揚げ物の鍋のことかい?」 「そうよ。それをあなたのゴーレムで取ってきてちょうだい」 「お安い御用だ」 どうやらキュルケのあたまの中には既に打開策が出来ているらしかった。 それを信用しギーシュはワルキューレを作り出す。そしてワルキューレを厨房まで走らせる。 青銅は美しい金属光沢を持つが結構やわらかい。錫の含有量によって硬度を変えれるが、ギーシュは勿論この世界にそこまで理解できているものはいない。 硬い青銅が作れる者は長年の経験と勘によるものだろう。 そしてギーシュは『青銅』の二つ名を持つがまだそこまで硬い青銅は作れない。敵の矢はきっとワルキューレに刺さるだろう。 何本かなら別に問題は無い。しかし沢山刺されば厨房に着く前にボロボロにされてしまう可能性がある。ボロボロにされてしまってはゴーレムとしてまともに使えない。 それを考慮して低い姿勢を保たせつつ厨房に行かせる。 たしかに硬い青銅は作れないが『青銅』の二つ名は伊達じゃない。自分の青銅の性質を理解はちゃんとしている。用心のし過ぎに越したことは無いのだ。 それが功をそうしたのか矢は1本しか当たらなかった。そして厨房にあった油の鍋をつかませる。 「それを、入り口に向かって投げて?」 キュルケが手鏡を覗き込んで、化粧を直しながら呟く。 「舞台でも始める気かい?」 それを見て呆れたように口に出すが、言われたとおりワルキューレを操り鍋を入り口に向かって投げさせる。 それを見たはキュルケが堂々とした振る舞いで立ち上がる。 「その通り、歌劇の始まりよ。主演女優がすっぴんじゃ……」 油を撒き散らしながら飛ぶ鍋に向かって杖を振るう。 「しまらないでしょ!」 キュルケの魔法によって鍋の中の油が引火する。そして入り口のあたりに炎を撒き散らした。 傭兵たちが炎にたじろぎどよめく。 キュルケは立ち上がったまま過剰なほど大仰な身振りで呪文を詠唱し始める。彼女が言ったとおりまるで歌劇のように。 そして杖を振るうと炎はさらに勢いを増し傭兵たちに燃え移った。 キュルケはその様子を見ながら髪をかきあげる。まだ敵は沢山いるのだ。そんなことをすればまるで敵に矢を射ってくださいと言っているようなものだ。 だというのにキュルケはそんなことは意に介さず杖を掲げる。 当然のように何本もの矢がキュルケに迫る。しかしそれらはすべてタバサの風の魔法によって狙いを逸らされキュルケにあたることはない。 タバサの顔には何も浮かんではいないがこうやって当然といった感じがするし、キュルケもこうなって当然といった顔をしていた。 事前に打ち合わせしていたわけではない。ただお互いがして欲しいことがわかっただけである。 ギーシュはそれを理解したときに思った。 (羨ましい) ただそう思った、理由はよくわからないがそう思った。 「名もなき傭兵の皆様がた。あなたがたがどうして、あたしたちを襲うのか、まったくこちとら存じませんけども」 降りしきる矢嵐の中キュルケは朗々と台詞を歌い上げ場違いな微笑を浮かべて一礼する。 「この『微熱』のキュルケ、謹んでお相手つかまつりますわ」 舞台の幕が上がった。 使い魔は今すぐ逃げ出したい外伝 『ラ・ロシェールにて』 登場人物 『微熱』のキュルケ(キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー) 火の系統の魔法を得意とするトライアングルメイジ 『雪風』のタバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン) 風系統のトライアングルメイジであり、「風」に「水」を足し合わせた氷雪系の魔法が得意 『青銅』のギーシュ(ギーシュ・ド・グラモン) いつもバラの造花を口に咥えているキザな男 『土くれ』のフーケ(マチルダ・オブ・サウスゴータ) トリステインを初め各国の貴族に知られるメイジの盗賊 『傭兵部隊』A(そこらへんで雇われた傭兵部隊) やられ役 『傭兵部隊』B(そこらへんで雇われた傭兵部隊) やられ役 『傭兵部隊』C(そこらへんで雇われた傭兵部隊) やられ役 圧勝だった。キュルケとタバサが炎を操り傭兵たちを退けたのだ。キュルケは炎をさらに激しくし、タバサはそれを風によって遠くの敵まで運ぶ。見事な連係プレーだった。 しかしやり過ぎたのかあちこちに火が燃え移りもはや何もしなくても火の勢いは増していった。 「おっほっほ!おほ!おっほっほっほ!」 そんな中キュルケの笑い声がこだまする。 「見た?わかった?あたしの炎の威力を!火傷じゃすまなくてよ!あっはっはっはっは!」 そんなキュルケに1本矢が飛来する。まだ諦めていない傭兵がいるようだ。 しかしその矢をギーシュのワルキューレが弾く。ギーシュには特にやることが無かったのでこういったことしか出来ないでいた。 (父上、ぼくは真の男にはなれませんでした) さっき胸の奥で誓った決意は結局叶わずキュルケとタバサは余裕で傭兵たちを撃退してしまった。しかも自分には出来ない圧倒的な力で……守られたのだ。 それは決意をしたギーシュにとって落ち込むに足る理由だった。しかし死なずにすんだという喜びもあった。やはり死ぬのは怖い。 またモンモランシーに会えると思うと落ち込んでいた気持ちも喜びで浮上する。 「でも歯ごたえが無いわね。さっき崩れたゴーレムが残ってたらまだちゃんとした勝負になっ……て……」 ノリノリで喋っていたキュルケはギーシュの後ろを向くと突如言葉が止まる。しかも顔は呆けた表情で固まっている。 タバサもギーシュの後ろを見たまま視線を動かさない。どうしたのだろうか? 「どうしたんだい?」 後ろを皆と同じ方向に視線を向けるとそこには巨大なゴーレムが出来始めていた。 「……キュルケ、最近モンモランシーが口を聞いてくれなくてね。どうやったら仲直りできるかな?」 「……浮気するから悪いんじゃない?」 ギーシュは現実逃避を再開した。 フーケは目を覚ますと胸と腹、そして右頬に激痛を感じた。自分はどうなっているのだろうか? 頭のめぐりが悪い。どうしたというんだ?周りに目を向けると炎が吹き荒れ傭兵たちが逃げ惑っているのが見える。 なんと頼りにならない連中だろうか。その程度の炎が何だというのか。 体を起こそうとする。しかし痛みで思うように動けない。どうしてこんなに痛いんだ?息をするだけで胸が痛い。口の中は血の味がする。 それでも構わず起き上がろうとする。きっと何かの勘違いだろう。 もしかしたら寝ぼけているのかもしれない。そう思いながら必死で起きようとする。すると目の前に水溜りが見えた。 炎に輝いて周りの景色が映っている。しかし水溜りにしてはどうも色が変だ。 そこによく見ようと顔を近づけると自分の顔が映る。そこに映った自分の顔ではなかった。鏡を見て左頬、つまり右頬がなく歯がむき出しになっている顔が映っている。 「ヒッ!?」 誰だこれは!?思わず胸に手を当てるとねちゃっとした感覚が手についた。その手を顔の前まで持ってくると手には水溜りと同じ色をした液体が付いてた。 そして思い出す。自分はヨシカゲとかいうあの使い魔によくわからない攻撃をされたのだと。 理解する。この水溜りは水ではなく自分の血なのだ!そしてそこに映ったのは自分の顔なのだと。 それを理解して、声にならない悲鳴を上げた。
https://w.atwiki.jp/wixi/pages/681.html
とある土曜日…。とある民家の玄関にて、一人の少女が一人の少年を誘う。 「えへへ…。ハル、行こ?」 「そうだな。囲炉裏に黒田、留守番頼んだぞ?」 ちなみに、彼らの父母も外出中だったりするため、そう同居人たちに声を掛ける。 そんな彼らを見送る同居人たち。 「……む~~~~~。」 「あ、あはははは。二人とも、行ってらっしゃい。」 凄い勢いで睨んでくる真智子と、乾いた笑みを浮かべている夕圭。 この状態の囲炉裏を置いていったら末代まで祟られそうな勢いではあるが…。 『二人だけで、公園に行くって約束したからなぁ…。』 もっとも先日の【貴子の看病を手伝ってもらったご褒美】という名目だけに、彼女との約束を反故にするわけにはいかない。 『そういえば、貴子ちゃんにもちゃんとお礼しないと…。 頭撫でてるだけじゃ、不十分だよな。…あと豆田にも手伝ってもらってるしな。』 満面の笑みを浮かべる妹の顔を見ながら、もう一人の頼れる妹分、さらにはその姉の事をぼんやり考える春樹。 一方、夕圭とルカはアイコンタクトを交わす。 『ルカちゃん。できる限り、真智子ちゃんは私が抑える…。…だからGood luck!』 『夕圭ちゃん…。…ありがと。』 彼女らは、同盟の保持を選択しているようだ。 先日の【誠意の証】は、ルカの左肩に掛けられたバッグの中に厳重に収められている。 そして空いている右腕を春樹の左腕に絡ませ、幸せそうに寄り添う。 しかし、囲炉裏もそんな彼らを追ってはいけない己の事情に、改めて心で泣く。 『…囲炉裏だけ微熱が続くな。黒田も豆田も、ルカも治ったのに…。 …黒田、迷惑を掛けるが看病頼む。お前の時ほどの熱じゃないが、何かあったら呼び戻してくれ。』 今朝、春樹によって【本日も静養】するよう通達された真智子。 …実は、囲炉裏にしてみれば、風邪など既に完治していた。 しかしながら、身体だけでなく体温まで子供規格な彼女。 加えて食事量が多く、代謝量が高い体質までが仇となってしまったようだ。 (反面、その体質ゆえに太らずに済み、さらに見た目と異なって身体能力は高い訳だが…) それなりに楽しそうな夕圭とは対照的に、かなり沈んだ足取りで寝室へと向かう真智子。 『おのれ~~~。あいるびーばっくです!!』 さらに別方向から、その玄関先の光景を苦々しげに見つめる一人の少女…。 遠山家が令嬢、理菜である。 …きつく歯噛みしているのか、唇の端からは血が滴っており、何気に鬼気迫る表情でひとり呟く。 「泥棒猫ばっかりに気を取られていたけど…。…貴女が獅子身中の虫になるなんてね、ルカ。」 先日は【仮病】という策を弄したものの、釣果は囲炉裏のみ。 挙句には誤食しかけた囲炉裏に倒され、自慢の胸に落書きされるという屈辱まで味わった彼女…。 そんな理菜からすれば、いまのルカはただただ嫉ましい。 まさに燎原の火の如く、燃え盛るは嫉妬の炎…。 そんな彼女は懐から小型無線機を取り出し、何者かに連絡を送る。 「豆田姉妹…。春くんとルカが動いたわ。」 【敵の敵は味方】 彼女たちは、一時停戦の道を選んだ。 当面の最大の障害であるルカを、全力をもって排除する…。 そしてその後は…春樹の覇権をかけてのガンダムファイト、レディーゴーである。 通信を終えた理菜は手早く身支度を整える。 飛び苦無に忍者槍、煙球に吹き矢を鞄に押し込み、目的地に向けて疾走する。 「春くん…。待っててね、今ルカから引き離してあげるから…。」 周囲の敵意に気づかず、手と手を取り合って仲睦まじく歩を進める兄妹。 そんな彼らが向かう公園正門にて、指関節を鳴らしながら待ち構えている少女。 「春樹!!ルカじゃなくてあたしと遊べ!!」 一方、茂みの中に身を潜める少女。 彼女のスコープは二人の姿を捉えている。…有効射程距離まであと150m。 「…ルカさん。…先日の借りは返す。」 公園という戦場にて、新たな戦いが始まる。